新しい政治組織(党)を作るに当たって

新政治運動立上げによせて

 なぜ、既存政党に政治改革はできないのか?  

                                                                                                   2014年12月1日 首藤信彦

I. これまでの反省(民主党の失敗から学ぶ)

1. 政党理念

① 民主党はリベラルを標榜していたが、構成員の過半は基本的に保守志向で、自民党との対立軸を構成するでもなく、オルタナティブな社会構築でもなく、経済的には「新自由主義・経済成長・規制緩和」路線で、いうなれば自民党の修正・改良程度が目標であった。12年の大敗北以来、むしろリベラル勢力の排除に進んだ。

② 組合系は組織率低迷の状況で、基本的に勢力保全、身内確保が最優先で、本来、労働組合が持っていたはずの平和主義、世界連帯、弱者救済などに熱心でなかった。むしろ、民間労組を中心にTPP推進や新自由主義的政策への賛同が多かった。

③ 当初こそ、アイヌ民族や障碍者、HIV問題など「少数を代表」する議員もいたが、いつしか少数を代表する議員は消滅した。女性議員も、高齢議員も、ツルネン氏のような元外国籍議員なども十分な存在感を示すことができなかった。そのため党のイメージが旧政党的になってしまった。

④ 社会のさまざまなシングルイシューを代表する勢力はほぼ皆無だった。

⑤ 政権交代だけをめざし、交代後にどうやって国政を担うか、どのような外交を展開するのかといった基本的な政策の準備が十分でなかった。むしろ、アジア中心外交のような民主党が提起した新しい構図こそ、「外交の継続性」「自民党政権の継承」「官僚主導」に引きずり込まれ、独自性を発揮することができなかったばかりでなく、ジャパンハンドラーと結託した保守勢力の罠に落ち込んだ。

2. 政党組織

党運営や政策策定、選挙などを担う党組織は必ずしも経営・管理・宣伝のプロではなく、候補者予備軍や候補者未満が多く、高い専門性(広報、宣伝、政策策定、組織開発など)を持った職員は少なかった。

高い組織運営のモラールに乏しく、新しい政治を作りだそうとする候補者と共通する・あるいはそれを超えた高い思想・理念・目的意識がなかった。むしろ、伝統的政治慣習を重視し、新しい政党・選挙のあり方を模索することは無かった。松下政経塾や労働組合のグループがその傾向に拍車をかけた。

3.政策(シンクタンクなくして、政党政策なし)

  政策を担うシンクタンクを持たないことは致命的で、実際に政権を担ったとき、自民党の巨大シンクタンクである官僚グループのサボタージュに歯が立たなかった。また、それと結託した学界、マスコミなどの攻撃に曝され、対抗できなかった。新しい政策を担うこれまで非主流や阻害されてきた学者・研究者との連携もなく、自民党政権時代のブレーンや御用学者に依存した。彼らは民主党の内部情報を外部にリークし、確実に民主党政策の足元を崩した。本来、現実社会との接点を持ち、新しい政策構想を持つ学者・研究者・活動家ではなく、

マスコミ露出の多い「評論家」に政策を依存したため、現実的に意味のある政策が打ち出せず、現場を知っている官僚の拒否を乗り越えれなかった。

  国会においても、各委員会での論戦や政策策定でなく、国会対策が支配的であり、委員会人事などもその線できまっていたため、各委員会で政権与党の指導力を発揮することができなかった。議員に学者・研究者・専門家の出身者がいないため、一方では官僚を軽蔑しつつ、実際はその管理下に置かれることになった。

4.国会議員と地方議員の確執

 地方議員は地域で長期間存続してきた既存政党からの流入が多く、最初から理念を共有せず、政策や地域での利害をめぐって対立関係が生じた。同じ党に所属していても、心情的あるいは地方議会での協力関係からも自民・公明と近く、国政での政策が地方に浸透せず、逆にまた地域の課題を国政に反映することができなかった。

国政への転出を一種の出世と考える地方議員にとって、国政の政策や課題を持ってくる議員とは対立関係すら生じた。

5.党員について

  日本の政治風土において、自分たちの利権と直結しない政治組織に党員として参加することは期待できない。そこで多数の党員獲得が義務化すれば、組織・団体・地方議員出身以外は党員獲得困難、特に女性や専門家などはそうであろう。結果的に膨大な架空党員が登録され、現実の活動には結びつかない。党費収集の手段としては、党員獲得は個人の候補者には重荷である。

  このような状況であるから、党員と政策との一体性はなく、党への基盤的支持とはなっていない。新しい党員の姿やサポーターの政策決定への関与方法などを求めることはなかった。

6.候補者

 候補者の資質に難がある。地域・団体・組織推薦候補者は本質的に新しい政治組織が求める候補者ではない。地方議員の出世願望の候補者も同様。選挙に金がかかるところから、最近にわかにビジネス系の候補者が増加している。

 候補者選考において、候補者の思想、理念を厳格に評価することはない。また特定の理念や哲学に評価基準があるわけでなく、選対本部長や人事担当政治家の好みや、地盤確保、資金確保の容易さなどに依存し、そのことが、当選直後から内部混乱の原因となった。

7.閉じられた組織

  政党は閉鎖的組織で、さまざまな市民組織、大学との人的交流もなく、重要な意思決定においても、外部のクレームあるいは前述の「党員」としてしか意見具申できなかった。そのために、マスコミの偏向報道を否定する理解や支持が市民から生まれることはなかった。

  連続当選議員の弊害。役職の期数制が専門家の重用を阻む。現実社会からの乖離。

  衆議院議員が政局と社会の激変を受けて変動するに対し、地域や団体などに支援された参議院議員が安定しているため、党運営において影響力の逆転現象が生じ、党としての政策運営、路線選択に難を生じた。  

 

II.新組織の特徴(このような組織を創ろう)

① 理念、基本政策の一致(絶対)

② すべての政策は安倍・自民路線との対立軸を中心に構成

③ OPENな党、市民団体など外部のグループも意思決定に参加、地域支部だけでなく、職場支部、大学支部などを認める。高校生(U18)の参加。

④ 多様性、特定勢力、特定集団に偏らない(政経塾、労組、官僚出身など一定以上特定のグループをつくらせない)

⑤ 実験的、実践的、戦闘的小集団(バンド)の連合体組織

⑥ 老若男女の四分の一バランス。完全男女平等(すべての組織に男女同数をめざす)

⑦ 帰化外国人の積極登用(世界との窓口)

⑧ 中高年にフォーカスを当てた政策、組織拡大

⑨ 党員の資格と役割再考

⑩ 政党と密接なシンクタンク形成

⑪ 議員任期 衆議員3期連続 参議院1期のみ

⑫ 障碍者、難病、災害被災者など少数を代表する議員枠の確保

 

III. 選挙

① 候補者厳選(専門性、活動経験、人間性)

② 基本適正資格審査、統一試験(専門、活動分野知識、外国語)

③ ダイエット選挙(公費負担分を除き200万円以内で)でヘルシー政治実現

④ 国政当選後は党方針に500万円を委託。違反者は没収

 

 

IV 綱領・政策

社会自由主義+中道急進路線

脱成長神話(外への成長でなく、内なる成長へ)、反新自由主義経済(格差縮小)反TPP/TiSA

包括的新高齢者政策(高齢者はこれまで福祉がテーマ、今後は労働と生活がテーマ)

たとえば:

   年齢差別撤廃

   高齢者雇用促進(障碍者雇用がヒントになる)

包括的女性政策(結果としての男女平等を目指す)

包括的若者政策(ポスト成人)

たとえば:

奨学金返済軽減

   就活個人指導

新農村戦略・新農業戦略(農の6次産業化と並行して、農水・農林・異産業との総合化)

新都市政策(都市の縮小と効率化)

新思考外交(アジア中心、平和構築)など

 

 

II.脱却しなければならないもの、構築しなければならないもの

 このような状況において、日本はその基本的な政治・社会・経済システムとその目標を大転換する必要がある。それはまず、過去の悪弊の脱却であり、これからの世界において構築しなければならないものである。

      

1. 脱米国依存、米国、アジアおよび世界との関係再構築

脱却しなければならないものの筆頭は米国依存である。

日本を拘束している政治的制度的困難のほとんどは米国に依存することから、あるいはまた米国より強要された政策に端を発していると言って過言ではない。それは通常の二国間の貿易・人的交流・制度的な同調・類似の価値観などを超えるものであり、その原点そして源流は戦後の米軍支配に端をはっしている。

米国との関係を必要以上に損ねる必要はないが、米国の都合のために実質的には日本にとって不利益となっている状況から脱する必要がある。 

今後は隣接するアジア中心の外交を中軸に、アメリカ・西欧・ロシアなどとバランスのとれた外交を展開する必要がある。

まず脱却しなければならないのは、日米安保、基地問題である。

(1) 脱基地、外国の基地の禁止へ

冷戦構造期においてはソ連の侵攻も米国とソ連との直接衝突もそれなりの現実性があったが、冷戦構造がすでに崩壊し、対立すべきイデオロギーも社会主義国家連合の存在しない状況において、日本における米軍基地は無意味である。特に沖縄における基地は日本防衛にとって意味を減じている。

米軍がは日本の基地を主として中東介入への戦略中継点として利用しているのであり、また他に類を見ない優遇環境から日本に居座っているからにすぎない。

中国・北朝鮮を脅威とみなして米軍の基地存続を主張するものもいるが、沖縄では中国とも距離的に近すぎで脆弱であり、さらにその存在自体が疑問視されるようになった米海兵隊のための新基地などはまったく意味をなさない。直ちに米基地の存続や地位協定の是非を米国との間で議論しなければならない。「思いやり予算」は即時停止する。

そもそも、国際法上、主権国家の中に外国の基地があることは、その外国の植民地として解されます。いかなる点においても、主権国家の中に治外法権の外国基地があってはならないのです。

(2) 脱日米安保神話からアジア平和外交へ

膨張する中国海軍へのけん制といういみで、日米安保に過度に期待する向きもあるが、万一中国が島しょ地域に対して何らかの侵略行為に出ようしても、それだけで米軍が日本の領土主権をまもるために自動的に軍事的行動を起こすわけではない。そのような行動はそもそも米国議会の承認するところとならない。

冷戦構造と核戦争の脅威が非現実化するなかで、日米安保に過度に信頼をよせるのでなく、その有効な形態を米側と再協議すべき時期にきている。

(3) 脱核依存、核兵器の非合法化への運動

軍事専門家のうちには、日本の国土の専守防衛なら自衛隊でなんとかなるが、ロシア・中国などは核兵器を持っているから、やはりアメリカの核の傘に入らなければならない...という主張をする人が多くいます。しかし、長崎以降、いまだかって核兵器は使われたことがない。それはどんな限定的な核兵器でも、地域の壊滅的な破壊と永劫まで後遺症を残すからです。たとえ日米安保条約があっても、某国が日本に核ミサイルを発射しても、それだけでアメリカが何十発の核ミサイルを某国の都市に発射することなどあり得ない。

このような核兵器の虚構性を認識し、またテロリストやならず者国家がそれを利用する可能性にかんがみ、核兵器の非合法化(禁止)の運動を積極的にすすめるべきです。

(4) 脱旧軍思考、新安保思考へ

現在、国家に対する軍事的脅威として挙げられるのは、地球温暖化や気候変動の猛威、少子化による軍人減少、地域問題や社会問題に端を発するテロリズムなどであるが、日本ではいまだに前大戦時の思考や発想が存続していて、現代世界のリスクに対応できていない。軍隊に依存しない安保システムや核の非合法化による核兵器の無力化など、新しい安全保障システムへシフトすべき時期にきている。

 

2.脱原発そして新しいエネルギーシステム構築へ

 福島原発事故を経験し、そこからの回復もまた事故の完全処理もめどが立たない状況でさらに原発再稼働するような愚をやめ、原発依存を停止し、再生可能エネルギーを中核とする新エネルギー包括計画を策定実施する必要がある。

 むだなエネルギーの使い方をやめる。猛暑の時期に開催する野外イベント、猛暑の中をクーラーを聞かせる遊戯施設などには追加課税などの措置により不要不急なエネルギー消費を下げる必要がある。

 幸い、日本には豊富な日射、強風地帯、火山活動、広範な水源と流量と、再生可能エネルギーの宝庫ともいうべき環境があります。同時に、そうした再生可能エネルギーを可能にする発電技術にも最先端のものがあります。新電力網の展開などにり、地域への経済効果も期待できます。原発路線を転換すれば、電力は十分に確保できるのです。

 最後に、最大のエネルギー源は省エネルギーです。無駄な送電から始まって、真夏にクーラーを回し続ける遊戯施設まで、日本にはエネルギーの無駄な使用が大量に残っています。徹底した省エネルギー化が必要です。

 

3. 脱成長神話、成熟・充実社会路線の構築

民主党は以前より脱原子力の主張があったが、現実に政権を担うようになると、突然、原子力発電所の輸出などを主張するようになった。それは成長戦略の一環である。

アベノミクスの第三の矢の破たんで明らかになったように、日本には1970年代のような輸出増進・成長路線をとることに意味がない。これからも特殊・得意な分野では輸出増進が行われるであろうが、すでに世界は海外直接投資の時代となり、たとえ競争力のある分野でも早期に海外立地になる。

また、経済成長を推進しようとしても、少子化社会では、311震災復興事業のように、たちまちのうちに人材払底とコスト上昇を招いてしまう。要するに、日本社会全体に、高度経済成長を作り出す状況がなくなっているのである。

高度成長期の成長体験を過去のものとし、成長路線の慣性・惰性からの脱却を図る。その一方で、成熟・充実、内なる成長、地域・社会の効率化を徹底的に進める。

かって、フランスの社会学者(ダリダ・ドルーズ)が成長期を枝と葉の生い茂る「アルブル=樹」にたとえ、社会充実を図る社会を「リゾーム=球根」にたとえたが、日本はまさに次なる成長期を準備する充実期にある。

非成長路線の下で新しい社会構築(地域・教育・人)を図る努力が急務である。

無駄な市街建設の代わりに、旧市街の由緒ある住居・商店を再生し街並みを整えた地域がいまや観光名所として地域の収入源となっています。

社会を成熟させ地域を充実する投資は新たな資産を生み出すのです。

 

4. 脱貿易立国モデルから新国富戦略構築(4)

徳川幕府の鎖国政策から開国に転じた日本は、自然資源に乏しいゆえに外国から資源を大量に輸入し、それを製品に加工して輸出する国家モデルが確立し、富国強兵政策を進めた。

この貿易立国モデルは後には日本の帝国主義を生み出し、それが破たんした後も、軍事と一体化することはなかったが、政府指導の一種の総戦力体制のような形で貿易を拡大し繁栄の礎を作り上げた。

この貿易立国モデルは最近のアベノミクスや安倍政権のTPP(環太平洋経済連携協定)の中心でもあった。しかし、現実には、日本大企業の7割がすでに生産を海外で展開しており、日本は生産国・輸出国より、消費・輸入国となりつつある。

このような状況でいたずらに貿易を拡大しようと努力しても、その経済効率は低い。

これまでのような安価で良質の労働力を前提とした脱輸出・加工貿易モデルから、    グローバル投資による海外拠点の収益拡大と利益の日本への送金、そして国内においては少量少額輸入・高付加価値・高利益が可能な輸出に特化する...

そのような新国富戦略を構築すべき時期にきている。

 

5.脱安全神話とリスク社会への対処推進策構築

現代日本社会はすさまじいリスクの脅威にさらされている。時間的に連続していないがゆえに、個別の災害そして自然災害と把握されているが、21年前の1月17日に発生した阪神大震災も、311の東北大地震津波・原子力事故も単に自然の猛威の物理的な破壊だけでなく、社会的側面を持ち、社会がこうした巨大リスクに対応できていなかったゆえに損失を巨大化させた。

 原子力発電は安全で事故などおこるはずがないという安全神話や、日本の安全基準は世界一。地震になっても地下のライフラインは切れない。都市の魅力は各種イベンドで、災害への対処や準備ではない...というような安全神話とそれを悪用した対策の欠如、予算の流用などが結果的に大きな災害を生み出しました。

 原子力、自然災害を含め大規模災害に専門的に対処する危機管理庁、社会に蔓延する新しい犯罪や脅威に対処する市民安全庁の創設により、新しい形態の犯罪や腐敗に対処する危機管理システム構築が急務です。

 

6. 脱旧環境視点(公害・開発)、地球温暖化、気象異常を前提の新環境政策構築

環境問題は、日本では行き過ぎた生産活動の弊害として、「公害」として最初に把握された。今日、環境問題は生産のみならず、さまざまな社会活動において無視することができない、重要要素と認識されるにいたった。

しかしながら、急激な地球温暖化とその認識、現実に目前で展開する気象異常などを考慮すると、旧来の環境視点を超えた、大規模で本質的な環境対応が必要となっていることがわかる。

日本の植生も含め、大規模な環境対応策の構築が求められる。特に重要なのは農業との関係である。気候温暖化の影響は果樹たとえば柑橘類の北上などで体感することができるが、米作に適さないとされた北海道が大米作地帯となるなど、作物への影響は大きい。同時にそれはそこに住む人々の生活様式、生活地域などに大きな影響を与える。

農業・林業・漁業を新環境政策の視点から新たに構築すべきである。

 

7. 脱忘却、正しい歴史観、「反省力」の構築へ

歴史認識というと、南京虐殺、慰安婦問題や靖国神社問題などに矮小化された議論が行われてきた。しかし、先の大戦も、あれだけの犠牲者を出し、国土を失っておきながら、そもそも太平洋戦争はなぜ始められたのか、だれが責任者なのか、なぜ原爆投下までに終戦できなかったのかも不明である。

東京大空襲・シベリア抑留・アジアにおける加害事例検証(南京虐殺、慰安婦問題など)も中立的、科学的に検証されているわけではない。

そのような忌まわしい歴史的事実を忘却の帳の向こう側に送るのではなく、事実を検証し、批判にこたえ、正しい世界観と歴史観を後世に伝え、そして過去の失敗や教訓から学ぶ「反省力」を身につける必要がある。

このような歴史や事件の真実を検証することなく、いつのまにか実態がわからなくなった事件は戦後にも続いている。

戦後の不可解事件の検証:御巣鷹山事故、拉致問題、オーム真理教事件、イラク外交官射殺事件などをしっかりと検証し、その結果を公開して今後の「反省力」として再構築していかなければならない。

 

8.脱自民党政治・脱旧政党政治、真の政権交代による新政治構築

いかに優れた政治家が集っていたとしても、自民党による日本政治の支配が半世紀も存続することは異常であり、そのことが日本政治停滞の根本原因と言わざるを得ない。

自民党政治がかくも長期間存続したのは、アメリカによる間接統治が関係しているが、最近の失敗例である民主党政権時の問題や失敗事例の背景も明らかにして、一刻もはやく次の政権交代を実現しなければならない。

同時に、日本の政治システムから脱却し、新しい民主主義システムの模索を構築する必要がある。現在の日本の国会は国民の声が直接反映されず、また審議は政党間の駆け引き(国対政治)に終始している。小選挙区・政党交付金の弊害は著しく、党議拘束による政治の硬直化、また政党支部の在り方、政党・地方組織の在り方も問われている。

また先進諸国と比べて政治の停滞をチェックする市民組織やシンクタンクも弱体である。

すなわち日本の政治システムは、旧態依然とした日本の社会システムの中で、最も遅れ、非効率な存在として日本の針路を阻んでいる。一刻もはやく「新政治」の構築が待たれる。

 

9. 脱(旧)日本、脱無責任 、新日本の構築

現在の日本政治の機能不全・腐敗と低迷の背景には、今の日本社会のありようが深く関係している。地道に日本の課題に取り組む社会活動家や研究者を排除し、特定の利権、支持団体より支援のあるものでなければ政治の世界に登場することができない。一方で、幼児化も進んでいる。ただ地域のイベントや駅頭演説が政治活動と誤解したり、行政官としての責務を放棄し官僚組織からドロップアウトしてくる若手政治家、全国最年少が売りの候補者など、およそ政治家としての能力とはかけ離れた人材が政治の世界に結集している。マスコミは二世三世議員を御曹司として持ち上げ、専門的な課題に地道に取り組む若手政治家は注目してもらえない。

 これらは政治の世界だけの問題ではない。

現代日本社会に特徴的な芸能化、お笑い化、スポーツビジネス化の社会風潮からの脱却が必要である。いずれも日本で隆盛をきわめているが、先進各国のメディアでニュース番組のコメンテーターを芸能人などが務めている国がどれほどあるだろうか?

 このような風潮を受けて、政治の世界もタレント的な政治家が多くなり、日本社会の本質的で深刻な課題に長期取り組む政治家が極端に少なくなってきている。

政治は社会の縮図かもしれないが、「真面目」「真実」「地道」「正直」「勤労」.というような伝統的価値観の再建にも取り組む必要がある。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

(1)高齢化は恐れるに足りない。高齢者は新規労働力・新規市場・新消費者である。

(2)19c-20c当時の日本を取り巻く状況と酷似

(3)核兵器が軍事的に効果的だった事例は70年間ない

(4)通貨洪水、円安誘導、株高誘導、ばら撒き、TPPなど