新政治運動の背景

新政治運動立上げの背景となる日本政治の状況

極度に劣化した日本の政治システム

「アベ政治」や「アベノミクス」はもはや論外ですが、半世紀を越える自民党の利権政治と官僚依存体質、そして、そこからの脱却を目指したものの、結局は旧態依然とした官僚依存政治と外交無策に逆戻りしてしまった民主党の政権交代期。。。国民の政府と国会そして政党政治への不満と絶望は大きく、国政選挙では2009年以来、1700万の票(ほぼ自民党比例票総数に等しい)が失われ、地方選挙では既存利権政治家の無投票当選が続出するなど、日本の民主主義政治システム自体が崩壊しつつあります。

こんな状況で、政治システムや諸制度を変革するのは、立法府である国会と政党の役割です。ところが、国会では圧倒的多数を占める自公与党の前に、野党勢力は結集して対抗することができず、さらに実態は野党と言っても疑似自民党のような保守勢力が大勢を占め、国民の期待するオルタナティブな路線を打ち出すことは不可能な状況です。

それどころか、現実の政治家の質は限りなく低下し、高度な専門性を持った政治家は姿を消し、執行部が操作しやすい「若手」や業界代表などが中心となって、まともな委員会質疑すら行えなくなってきています。

それならば、現在のヨーロッパのように、そしてかっての日本もそうだったように、無所属で見識のある政治家、所属議員は少数だけれども存在感のある小党などが、国会の活性化に活躍すべきですが、そうした有識の個人や小党をまさに現行の小選挙区制と政党交付金といった制度が阻んでいるのです。

それゆえに、政治改革は政策や、既存政党の数合わせのようなものでもなく、政治理念、政治スタイル、政治組織(政党)の在り方も従来とまったく異なる新なものに創り変えていく「新政治運動」への結集が求められるのです。。開始期日は今すぐ、最初の目標となるフィールドは16年夏参院選時です。

 

世界の大状況の激変

世界はアメリカの退潮・中国の膨張とアジアの成長・ロシアの復権・西欧の困難など、まさに歴史を書き換える巨大潮流が同時多発している巨大状況変化の真っただ中にあります。この激流の中で日本は生き残りを図らなければならないのです。

隣接する中国は日本にとって最大の貿易相手国となりましたが、その中国が推進するAIIBにはヨーロッパ各国が参加したにも関わらず、日本はアメリカの意向に追従して、参加することもできませんでした。アメリカはTTP(環太平洋経済連携協定)でアジア太平洋諸国の囲い込みを計画し、日本はその構想参加を推進し、中国が進める経済圏構想と対立する立場に立たされてしまったのです。

中国そしてインドさらにはインドネシアといった巨大人口を抱えた国家が労働市場に参入してくるということは、少なくとも10億以上の労働や雇用が日本各地から、そうしたアジアの新興国に移転することを意味します。これまで加工貿易国として、安価な原材料と質の高い生産をよりどころに経済成長してきた日本は、その基本となる経済モデルそしてそれを支える社会システム全体をも変革していかなければならないのです。

このような変化は、これまでも深刻な問題であったテーマたとえば環境問題にも大きな影響を与え、また地球温暖化と気候変動のような巨大で新しい次元での環境問題にもさらされることになりました。日本も温室効果ガスの低減はもとより、気候温暖化による農業・林業そして漁業にも構造的な変革が必要となっているのですが、その改革の歩みは遅れています。

何よりもアジア太平洋地域が成長のセンターとして登場してきたことは、日本と中国や韓国など北東アジアそして東南アジアとの国々との関係が新たな次元にはいったことを意味します。これはかって、日本が大東亜共栄圏の虚名のもとに侵攻し、占領した地域に重なることは言うまでもありません。勃興し巨大化する中国圏との摩擦はもとより、アジアの国々と共生するためにも、過去の侵略行為を反省し、今後の協力関係を見通していかなければなりません。

現代世界の最大の巨大リスクは、実はアメリカの衰退です。第二次世界大戦後、アメリカは自由主義圏に圧倒的な影響力を持ち、さらに冷戦構造崩壊後は旧社会主義圏までも市場経済と民主主義を浸透させ、名実ともにアメリカは世界の指導的立場にありました。

しかし、アフガニスタン戦争そしてイラクへの介入によって、軍事費の膨張は国家財政を圧迫し、一方ではヨーロッパ政治経済圏の確立、そして中国の台頭とロシアの復活によって、アメリカの政治経済支配力は急速に失われつつあります。

このようなパックスアメリカーナ(アメリカの軍事・政治・経済力による平和)の後退期には、アメリカは周辺国から収奪をしながら、自国が生き延びる政策を選択することになります。アメリカの日本に対する要求は近年、きわめて直接的で強引なものになりつつあります。その過程の中で、沖縄の基地負担、集団的自衛権行使、TPP加盟などの問題が、日本社会に突き付けられているのです。

 

日本を取り巻く大状況の激変

日本では少子高齢化、人口減少、市場縮小、低成長(1)という現実にもかかわらず、196090年台の「成長成功体験」に基づく政治・経済運営モデルから抜け出すことができていません。

負の巨大遺産としての原発、高度成長期に建設された工業団地、各地の破綻した地域おこし事業、山林農の荒廃、高齢化が進む大規模団地、老朽化する社会インフラなど、日本は累積した膨大な過去のつけにも今すぐ対応していかなければならない。

国際社会においても、ビジネスにおいても、世界をリードするような日本の構想・技術・人材の衰退が顕著です。過去の遺産の継承でもある特定科学分野のノーベル賞受賞に目を奪われていますが、日本の基本的な学問・科学・芸術における能力は衰退している。このような状況で、安倍政権に至っては逆に、大学の職業学校化や公的教育の塾産業代替など、教育質の劣化をさらに悪化させるような間違った教育政策がとられています。また教育費が家計に大きな負担となるほどの高額となっている現状で、どうして世界に通用する人材が育たないのか、教育の在り方を抜本的に変える必要があると思います。

政治の無能・混乱と幼児化が深刻です。国会での一連の安保法制議論を見てもそうですが、一国の総理大臣がテレビ番組に出て模型を使いながら火事消火と国家防衛とを混同して説明するような、信じられないような政治の幼児化が進行しています。

一方、統治機構の機能不全が国・地方の両方で進行しています。医療・福祉など地域の社会生活の質を左右する行政への不満は鬱積しており、本来そうした状況を正すべき地方議会がむしろ地方行政と官僚の追認機関になっている面も否定できない状況です。

アベノミクスが造り上げた新たな経済破綻への道は、すでに世界状況悪化の下、日本の基礎条件が劣化し満身創痍となった日本社会に新たな巨大負荷をかけつつあります。アベ政権はマスコミを取り込んで、事実を隠蔽していますが、将来、問題が露見する前に一刻も早く予防・対応措置をとる必要があるのです。